小児の治療

 当院では小児の治療に関しては診療の際に保護者の方に同席していただきます。治療に関しての説明、治療が必要となった原因を説明し、同意していただいた上で治療を開始することが理想と考えるためです。また、お子様の治療に関しては現状で悪くなっているところを治すことも大切ですが、治療後に再発しないことに努めることのほうがより重要で、そのためには保護者の方の協力が不可欠と考えるためです。

 当院では原則として抑制具の使用や押さえつけての治療は致しません。

 1.虫歯の治療

 基本的には大人と同様の治療ですが、虫歯になった原因をよく理解していただきたいと思います。虫歯は必ずなるわけではなく、生活習慣の中にそれ相応の原因があるはずなのです。その原因を改善しなければ数カ月後には虫歯は再発してしまいます。特にお子様の虫歯は多くの原因は食生活にあります。歯を溶かしやすい飲食物を日常的に口にすることで虫歯になりやすくなります。

 2.歯肉炎の治療

 「小学生の4割が歯肉炎」と言われています。歯肉炎は日ごろの不十分な歯ブラシの仕方に原因します。歯肉炎は痛みなどをほとんど伴わないため、そのまま放置されることが多く、歯肉炎がさらに悪化すると歯周病に至ります。歯周病は低年齢からの予防が鍵を握ります。

 3.外傷の治療

 まだよちよち歩きのお子様や活発な小児は前歯をぶつけて折れてり、抜け落ちたりする場合があります。そのような場合は一刻も早い治療が必要となります。

 4.乳歯の抜歯

 たかが乳歯の生え変わりと言っても正常に生え変わらない方もいらっしゃいます。レントゲンで永久歯の位置を確認して計画的に抜歯する必要があるお子様も比較的多い割合でいらっしゃいます。特に癒合歯、癒着歯があったり、先天性歯牙欠損のある方は必ず歯科医院で歯科医師の計画の下に抜歯することをお勧めいたします。

 5.過剰歯の抜歯

 時折、乳歯の前歯が生え変わりの際にレントゲンを撮影すると本来の歯の本数より多い過剰歯が存在するお越し間がいらっしゃいます。過剰歯は本来の永久歯の萌出を妨げたり、歯並びが悪くなる原因となります。

 6.フッ素塗布

 まだ生えたばかりの乳歯や永久歯は歯の密度が低く虫歯になりやすい状態です。歯の表面はハイドロキシアパタイトというカルシウムの結晶で出来ていますが、フッ素を塗ることにより、このハイドロキシアパタイトがフルオロアパタイトと言う物質に変わり、酸に対して抵抗性を持つようになります。また歯の石灰化を促進し、虫歯に対して抵抗を持つ歯になっていきます。1度塗っただけでは効果は不十分で、お口の中の状態によりますが、3-6ヶ月に一度の塗布が必要です。

 7.癖の治療

 指しゃぶりなど歯並びに大きく影響を与える癖は早急に改善する必要があります。特に1歳半を過ぎても指しゃぶりしている場合は早急に改善しなければ歯並びだけではなく顔の骨格にも大きく悪影響を与える場合があります。